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VODビジネス成長のための課題を探る映像配信事例の比較調査を実施
映像配信サービスは2005年に大きく拡大
調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(東京・台東 梅田佳夫社長)は、映画・ドラマ・アニメなどをブロードバンドでビデオ・オン・デマンド(VOD)配信する『映像配信サービス』の成長課題を探る事例調査を行い、調査研究レポート「映像配信事例比較調査<映画配信・ドラマ配信・アニメ配信>成功へのキーワード」(2005年3月発刊)にまとめた。
映像配信サービスは2005年に大きく拡大
今回の調査では、VODビジネスが浮上するためのキーワードとして以下の10のキーワードを選定し、VODビジネスの現状と将来について検討した。
1 | 番組編成力 |
---|---|
2 | 権利処理問題 |
3 | テレビコンテンツ |
4 | 利用者との対話でニーズを掴む |
5 | 小売りのノウハウ |
6 | リリース・ウインドウ |
7 | 消費者の認知 |
8 | 商品プロモーション |
9 | サービス利用へのハードル |
10 | 利用者の満足度 |
各社へのヒアリング調査を元に10のキーワードについて検討した結果として、サービス拡大の課題である以下の条件がクリアできるとし、2005年には大きく拡大するとした。
1 | 権利処理ルールができて、テレビコンテンツが供給される |
---|---|
2 | 広告プロモーションにより、一般の認知度が上がる |
3 | IP系STBサービスで地上波同時再送信が可能になる |
4 | コンテンツの充実、サービスの複合化で、利用者の満足度が高まる |
5 | 他サービスとの初期費用、料金の競争力が高まる |
6 | 携帯電話向けサービスとの連動が始まる |
各条件のうち、上記1、2に関する調査レポートの抜粋は以下のとおり。
1.権利処理ルールができて、テレビコンテンツが供給される
洋画は国外販売の際に権利関係は一括処理されているので、日本国内の利用者側が権利問題を気にすることはほとんどない。ただまとめてライセンサーにお金を払うだけである。しかし、邦画やドラマは少々事情が複雑である。一躍ブームになった韓国ドラマがネット配信ビジネスを席巻しているのに、どうして日本のドラマは出てこないのか。
テレビ番組も著作権で言えば「映画の著作物」であるが、作品の著作権以外に原作、脚本、音楽などの著作権と、俳優、演奏家、声優など実演家の著作隣接権がある。なかなかコンテンツが出てこないのは、VODが新しい利用形態で、ルール化がされていなかったから。放送局などで構成する利用者団体協議会と権利者団体との長い交渉もようやく大詰めを迎えている。
大きく左右するのは俳優などの著作隣接権。許諾を得なければいけないし、やっかいなのは団体に所属しない実演家の所属事務所もあること。配分がルールにのっとってきちんと行われるのは権利者側も待ち望んでいることである。
※調査レポートでは、団体に所属しない「ジャニーズ事務所」についても考察している。
2.広告プロモーションにより、一般の認知度が上がる
2005年2月から流れたOCNシアターのテレビCMはテレビの前で映画をレンタルできるビデオ・オン・デマンドの便利さを訴えた。これがこれからは普通のことだよと訴えるインパクトは大きなものがあった。ブロードバンドでテレビや映画が見られますよと言ってもピンと来る人がどれだけいるかということが問題なのである。VODの利便性をどう普通の人々にどう認知してもらうか、それが大きな課題である。
「新聞や専門誌にいくらVODのことが書かれても、普通の人は自分ことだとは思わない。テレビのCMに出てくると、身近なことかと思い始める」とOCNシアターにVODサービスを提供しているネオ・インデックスは語る。
今後の課題は「携帯電話での動画配信」
各社ヒアリングにもとづく、VODビジネスが成長するための今後の課題は以下の4点である。
1 | 携帯電話での動画配信 |
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2 | レンタルビデオ業界の参入あるいは対抗策がどうなるか |
3 | リリース・ウインドウがいかにDVD発売時期に近づくか |
4 | VODの便利さをいかに知ってもらうかの知名度アップ |
今後の方向性として、調査対象10社のうち半数が「携帯電話向けの配信サービスが映像配信サービスに大きな可能性を持つ」として力を入れようとしており、2社が2005年度にサービス開始を予定している。
<調査概要>
- 調査内容
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- 会社概要
- サービス概要
- コンテンツ特性
- サービス特性
- ユーザ動向
- 価格設定・課金方法
- 携帯電話・携帯端末へのコンテンツ配信・提供に関する方向性
- 今後のビジネス展開
- 現在の課題、ビジネス拡大の上で望むこと
- 調査期間
- 2004年12月〜2005年3月
- 調査対象(10社)
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- 映画
- ソニー・ピクチャーズ エンターテイメント、角川映画、Movielink
- ドラマ
- NHK、IMX(韓国ドラマ配給会社)
- アニメ
- バンダイチャンネル
- アダルト
- デジタルメディアマート
- 事業者
- J-COM、ネオ・インデックス、オンデマンドTV
- 調査方法
- 面接調査
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