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特定健診・特定保健指導の市場動向と将来予測がまとまりました
特定健診受診者は2008年度約1,820万人、2012年度には2,730万人規模に拡大
特定保健指導は2009年度が実質的なスタート、2010年度にかけて本格化
2012年度の特定保健指導は約250万人規模、制度4〜5年目は駆け込み需要も
市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都台東区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、特定健診・特定保健指導対応ビジネスの市場動向を調査し、このほど、その結果をまとめました。
2008年4月、メタボリックシンドローム対策としての特定健診・特定保健指導制度がスタートし、その実施が健康保険組合などの保険者に義務化されました。40〜74歳の国民約5,600万人を対象として、健診結果に応じて健康づくりに取り組む新しい健康サービスの市場が動き始めています。
本調査は、特定健診・特定保健指導の市場について、参入企業100社の動向を把握するとともに、業界関係者・有識者にインタビューを実施、制度市場を産業として見た場合の問題点や国内全体および保険者種類別に実施率、実施規模(人数)、金額市場規模などを予測しました。
本調査結果の詳細は、調査研究レポート「2009年版 特定健診・特定保健指導制度の現状と市場展望 ― 初年度の状況と課題、5ヵ年の展望、制度6年目の行方 ―」(2009年4月発刊)として販売しております。
調査結果のポイントは以下の通りです。
特定健診受診者は2008年度約1,820万人、2012年度には2,730万人規模に拡大
2008年度の特定検診実施率は、全体(単一健保・総合健保・協会けんぽ・共済組合・国保の合算)の31.7%、1,820万人と推定した。
2008年度は、全体的に健診結果のデータ処理が混乱し、特定保健指導の開始が大幅に遅れる要因となった。そのため、保険者側で保健指導の規模縮小・実施断念などの判断も多く、初年度の特定保健指導市場は実施数量が限定的なものとなった。被用者保険の法定健診を特定健診として振り替えた実績が大半を占め、被扶養者の健診は進んでいない。
2012年度は、単一健保と共済組合は目標値達成に近づくが、総合健保、協会けんぽ、市町村国保などは実施困難な状況が多く、目標値達成は難しいと考えられるため、実施率は46.8%、2,731万人と予測した。
特定保健指導は2009年度が実質的なスタート、2010年度にかけて本格化
2009年度は保険者側も動きが早く、健診データも前年度よりスムーズに保健指導につながると予想され、特定保健指導の市場環境が幾分好転すると考えられる。
職域では未実施だった被扶養者の健診・保健指導に着手する組合が増え、前年の反動も加速要因となり、2009年度は特定保健指導の全体実施数量が前年の1.5倍以上に増加すると予想される。
2012年度の特定保健指導は約250万人規模、制度4〜5年目は駆け込み需要も
企業健保や共済組合は加入者に対する統率力が比較的高いものの、多数の中小企業が加入する総合健保や協会けんぽ、地域住民が相手となる市町村国保は実施面の課題が多く、保険者の財政事情を考慮しても、現行制度のままでは国全体の実施率目標の達成は厳しいと考えられる。
さらに、制度の規定により、健診後、医療機関への受診勧奨に振り分けられた人は保健指導の対象にならず、該当者も保健指導への参加を強制されるわけではないため、実際の特定保健指導の実施人数は健診受診者の1〜2割程度にとどまると予想される。
ただし、制度4〜5年目は保険者側も目標達成に向けて注力度を強め、特定保健指導の駆け込み需要が急激に発生する可能性もある。2010年の中間評価や2013年以降、制度の仕様がどの程度変更されるのか読めない点がリスクとなるが、淘汰・再編の波を乗り越えたアウトソーサーは特需獲得が期待できる。
このような状況から、全体の保健指導実施人数は2008年度の77万人から、2012年度は250万人前後と予測した。
<調査概要>
- 調査方法
- ヒアリング調査、弊社保有・蓄積データの活用、入手可能な情報の収集・整理
- 調査項目
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- 特定健診・特定保健指導の現状と市場展望
制度成立〜2008年までの変遷、今後のスケジュール
保険者種類別の健診受診率・保健指導実施率の推測・予測
健診・保健指導の実施数量と価格動向、金額市場規模の推移 - 保険者の状況
保険者種類別・加入者の状況、対象者数、財政状況
制度実施への取り組み姿勢、課題、保険者種類別市場特性
健診・動機付け支援・積極的支援の価格動向 - 制度市場の課題と展望 (匿名インタビュー11件)
制度対応ビジネスの現状と課題
制度の問題点、中間評価に向けた意見・論点
制度6年目の予測・考察、事業の展望 - 参入企業の100社の動向
健診支援事業者・代行機関(13社)
ITシステム・Webサービス事業者(51社)
保健指導受託事業者(36社) - 統計資料
健保、協会けんぽ、国保の状況、医療費、人口データほか
- 特定健診・特定保健指導の現状と市場展望
- 調査対象
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- インタビュー
健診支援・代行機関、ITシステム事業者、保健指導機関、保険者、有識者・研究者(計11件) - 参入企業動向
健診支援・代行機関(13社)、ITシステム・Webサービス(51社)、保健指導機関(36社)
- インタビュー
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