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産業保健関連市場(*)の現状と将来展望がまとまりました。
◆ 産業保健の取り組み状況。
「産業保健体制整備」「休職復職支援」「メンタルヘルス対策」は自社スタッフでの対応率高い。
「健診実施」「保健指導」は健保組合に委託。
◆ 利用している健康管理システム。
43.3%は「何らかのシステムを利用」、「外部事業者に管理を委託」は20.7%、「紙で管理」も26.3%。
◆ 着実に成長する産業保健関連市場。
2020年には6,320億円市場に成長すると予想。
(2010年の市場規模=5,439億円と推定。2015年の市場規模=5,929億円)
(*)「健診・健診事務代行市場」「産業医関連市場」「EAP・メンタルヘルス市場」「健康管理システム・
産業医支援システム市場」の4市場を調査対象とした。
市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都台東区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、産業保健関連市場の将来展望ついて調査を行い、このほど、その結果をまとめました。
平成23年9月に公表された厚生労働省の「労働安全衛生基本調査」によれば、産業医の選任義務のある労働者50人以上の事業場での産業医の選任率は、87.0%(前回の平成17年調査は75.4%)となり、前回調査より11.6%上昇しています。
また、行政は、定期健康診断による有所見率が全国平均以上の事業場に指導を実施する旨の通達や、定期健康診断と併せた医師によるストレスに関連する症状の確認とストレス症状を有する労働者に対する面談を実施する新たな枠組みを取りまとめるなど、企業の安全配慮義務への法整備を推進しています。
このような背景を踏まえ、本調査は、産業保健関連市場に参入している主な事業者20社へのヒアリング、および、従業員500人以上の規模の企業の人事労務部門担当者300人に対してインターネット調査を行い、産業保健市場の現状と課題を把握し、2020年までの市場規模を推定しました。
なお、本調査結果の詳細は、調査研究レポート「産業保健市場の現状と将来展望 −労働安全衛生法からみた健康管理・メンタルヘルス市場−」(価格:160,000円+消費税、2011年8月22日発刊)として販売しております。
調査結果のポイントは以下の通りです。
調査結果のポイント
産業保健の取り組み状況。
「産業保健体制整備」「休職復職支援」「メンタルヘルス対策」は自社スタッフでの対応率高い。
従業員500人以上の規模の企業の人事労務部門担当者300人に対して産業保健の取り組み状況を尋ねた。
産業保健業務で、社内スタッフのみで実施する傾向が強いのは「産業保健体制構築」(83.3%)、「休職・復職支援」(78.7%)である。企業風土や方針、就業規則に基づく対応が求められる業務であることから、外部委託は進んでいない。
また、2008年より健康保険組合に義務図けられた特定健診・保健指導を受け、「健康診断実施業務」(37.7%)、「保健指導」(35.7%)を健康保険組合に委託する割合が高くなっている。
利用している健康管理システム。
43.3%は「何らかのシステムを利用」、「外部事業者に管理を委託」は20.7%、「紙で管理」も26.3%。
健康管理システムの利用状況を見ると、「システムは利用しないで紙で管理」している企業が26.3%で最多。健康保険組合を含む「外部事業者に管理を委託」が20.7%が次に多い。
2008年のメタボ健診以降は、事業主と健康保険組合が健康管理データベースを共有して、各々必要な情報のみ活用することでシステムの維持管理にかかる費用を持ち合い、効率のよい健康管理業務を遂行する傾向が顕著である。
着実に成長する産業保健関連市場。
2020年には6,320億円市場に成長すると予想。
(2010年の市場規模=5,439億円と推定。2015年の市場規模=5,929億円)
本調査は、産業保健関連市場を以下の4つの市場に分けて調査を行った。
健診・健診事務代行市場・・・法定健診、各種健診、人間ドック、健診予約、健診結果のデータ化等
健診は、2010年度は4,781億円と推計。2015年に5,152億円、2020年には5,398億円。健診事務代行は、2010年度は144億円と推計。2015年に152億円、2020年には154億円になると予想。
早ければ2012年以降にも定期健診とあわせたストレスチェックの実施ならびに有所見者に対する医師面談が義務化されるなど、健診市場は拡大傾向にある。また、個々人の経年健診データにもとづくテーラーメード型人間ドッグの構築が注目されており、健診データ利活用が市場の拡大を牽引する。
産業医関連市場・・・産業医による産業保健業務の提供等
2010年度は452億円と推計。2015年に504億円、2020年には579億円になると予想。
定期健診とあわせたストレスチェック、医師の面談の新たな枠組みの実施ならびに有所見者に対する医師面談が義務化されるなど、法整備に伴う産業医ニーズが高まっている。
EAP・メンタルヘルス市場(メンタル法改正を前提とした予測)
2010年度は48億円と推計。2015年に93億円、2020年には147億円になると予想。
企業において、近年増加傾向にあるうつ病休職者に対する復職のための支援や、若年層に多い現代うつ病への対処など、3次予防領域の休職・復職支援や有所見者対応が緩やかではあるが市場を牽引していくものと考えられる。
健康管理システム・産業医支援システム市場
2010年度は14億円と推計。2015年に28億円、2020年には42億円になると予想。
メタボ健診以降、健診結果のデータベース化ニーズが高まっているとともに、2012年以降にも定期健診とあわせたストレスチェックの実施が実施されることで、システム導入ニーズがあるが、企業向け健康管理システムは、費用対効果や効果的な運用事例が少なく、市場の推移は緩やかと予想する。
調査概要
- 調査対象
-
[主要な参入事業者 (20社)]
<産業医による企業の健康管理支援>
さんぎょうい株式会社、株式会社ドクタートラスト、株式会社メディカルトラスト
<各種健診事業・健診事務代行>
財団法人 神奈川県予防医学協会、財団法人 京都工場保健会、
財団法人 日本健康文化振興会、株式会社バリューHR
<健康管理システム・産業医支援システム>
株式会社麻生情報システム、株式会社インテージ、エヌ・ティ・ティ アイティ株式会社、
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、株式会社クリックベネフィット、シスメックス株式会社、
バイオコミュニケーションズ株式会社、富士通株式会社
<EAP・メンタルヘルス対策>
医療法人あけぼの会 メンタルヘルスセンター、株式会社損保ジャパン・ヘルスケアサービス、
ピースマインド・イープ株式会社、株式会社ヘルスウエイブ、株式会社ロブ
[企業の人事労務部門担当者 (300件)
従業員規模500名以上の企業に属し、事業者の選定や決裁に関わっている課長職以上の
人事労務部門担当者300名
- 調査方法
- ヒアリング調査、インターネット調査、その他、オープンデータ収集
- 調査期間
- 2011年5月〜8月
〒113-0034
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担当 : 松田 陽子(まつだ ようこ)