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定置用蓄電池/蓄電システムの市場動向調査結果

2012/02/09

◆ 2011年度出荷(見込み含む)の、
  ✓ 蓄電容量は約23,482kWh、売上規模は156億円と見込まれる。
    内、新築住宅は4,500kWh、1,100戸強への出荷の見込み。
  ✓ 電池種類は、リチウムイオン:75%、鉛:24%、NAS:1%。新築住宅用は鉛が55%。
  ✓ 電池形態は、ポータブルタイプ:55.8%、据え置き型:30.4%、蓄電モジュール:13.8%。
  ✓ 1kWh当たり平均単価は、リチウムイオン:51.2万円/kWh、鉛:42.7万円/kWh。
◆ 2020年度の市場規模は2011年度比約40倍の935MWhまで拡大見込み。
  既築住宅市場が市場の中心に。

市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、定置用蓄電池/蓄電システムの市場動向調査を実施し、このほど、その結果をまとめました。

2010年頃より、スマートグリッドの構築や再生可能エネルギー普及に伴い、安定した電力の最適な利用に向けて蓄電池が普及の兆しを示し始めています。また、東日本大震災を受けて、防災用途やピークシフトの用途でも蓄電池のニーズが高まり、2011年度は多くの定置用蓄電システム製品が出荷されました。今後は定置用蓄電システムに補助金が交付されることも決定しており、定置用蓄電システム市場は大きな成長が期待されています。

本調査は、蓄電池メーカー、蓄電システムベンダー、住宅メーカー、販売会社など、定置用蓄電システム市場の主要プレイヤーや業界有識者にヒアリングを行い、2011年度の市場の動向と各社の戦略を整理するとともに、定置用蓄電システム市場が、どのような用途(住宅/集合住宅/オフィス/ビル/発電所/など)で利用が増えていくのか、どのような製品(電池種類、用途、システム、など)が求められてくるのか、どのような販路が有効か、2020年までの市場規模はどのように推移するのか等を予測、分析を行いました。

なお、本調査結果の詳細は、調査研究レポート「定置用蓄電池/蓄電システム市場動向調査 ―スマートコミュニティに向けた蓄電池普及への各社の戦略― 」(価格:160,000円+消費税、2012年1月27日発刊)として販売しております。

調査結果のポイントは以下の通りです。

調査結果のポイント

◆ 2011年度出荷(見込み含む)の、
  ✓ 蓄電容量は約23,482kWh、売上規模は156億円と見込まれる。
    内、新築住宅へは4,500kWh、1,100戸強への出荷の見込み。
  ✓ 電池種類は、リチウムイオン:75%、鉛:24%、NAS:1%。新築住宅用は鉛が55%。
  ✓ 電池の形態は、ポータブルタイプ:55.8%、据え置き型:30.4%、蓄電モジュール:13.8%。
  ✓ 1kWh当たり平均単価は、リチウムイオン:51.2万円/kWh、鉛:42.7万円/kWh。

2011年度 定置用蓄電池の用途別出荷割合(見込み)
  • 2011 年度、震災を受けて定置用蓄電池市場は急激な成長を示した。出荷される蓄電容量は23,482kWh、売上規模は156億円と見込まれる。特に、家電量販店等を通して販売されたポータブルタイプの定置用蓄電システムが既築住宅や業務用途(オフィス、店舗、自治体など)で購入された。そのほか、スマートハウス構築を目指す大手住宅メーカー各社は相次いで蓄電池搭載住宅を発表しており、新築住宅へは2011 年度には4,500kWh、1,100 戸以上の出荷が見込まれる。
  • 出荷される電池の種類は、75%がリチウムイオン、24%が鉛蓄電池、1%がNAS 電池であった。既築住宅、業務用などで販売されたポータブルタイプ等の蓄電システムは主にリチウムイオン電池であり、鉛蓄電池の利用は一部に留まる。一方で、新築住宅では、住宅メーカーが安全性を重視していることや、早期製品化のために、歴史の長い鉛電池を用いた製品が多く出荷されたため、新築住宅用途の55%が鉛蓄電池が用いられた。ビル、大規模施設、社会インフラ用途などの数十〜数百kWh の用途においては、鉛蓄電池の利用が主であるが、一部先進的な事例ではリチウムイオン電池が、中でも大規模な用途ではNAS 電池が用いられている。
  • 電池の形態は、ポータブルタイプが55.8%と最も多く、次いで据置き型30.4%、蓄電モジュール(セルベースでの出荷含む)13.8%であった。
  • 2011 年度に出荷された(一部出荷予定)主要な定置用蓄電システムは、鉛蓄電池を利用している製品5 品目、リチウムイオン電池を利用している製品16 品目、計21 品目であった。1kWh 当たりの平均価格は、鉛蓄電池を用いた製品では42.7 万円/kWh、リチウムイオン電池を用いた製品では51.2 万円/kWh であった。
    製品価格は、製品発表資料に記載された価格、または、調査時にメーカーより聞き取った価格をもとにした。

◆ 2020年度の市場規模は2011年度比約40倍の935MWhまで拡大見込み。既築住宅市場が市場の中心に。

定置用蓄電池市場規模予測
  • 定置用蓄電池の市場規模は、2020 年度には2011 年度比約40 倍の935MWh まで成長することが予測される。
  • 2012 年度から2013 年度頃には、定置用蓄電池に補助金が交付されることが予想され、それに伴い、新築住宅や業務用途において市場の拡大が見込まれる。また、住宅メーカー各社が震災後相次いで、蓄電池搭載住宅を発表しており、その本格的な需要が2012 年度より始まるとみられる。また、2012 年度には、自治体や大手企業などで防災対応のための予算が確保されることが期待され、業務用途においても、ポータブルタイプから据置型まで、事業者に応じて様々な蓄電システムが出荷されると予想される。
  • また、2012 年より再生可能エネルギー固定価格買取制度が開始されることにより、メガソーラーの建設が進むことが見込まれている。それに伴い、系統安定化のための蓄電池の需要が拡大していくことが期待される。
  • 2015 年頃までの定置用蓄電池の普及に伴い、定置用蓄電池の価格の大幅な定価と大型化が実現していることが期待される。価格低下に伴い、既築住宅での需要が伸びることが期待される。新築住宅においても継続して市場は拡大を示すが、新築住宅着工件数は年々微減傾向にあり、2015 年度以降は住宅においては既築住宅市場が主力の市場となっていくだろう。また、定置用蓄電池の大型化により、ビル、大規模施設、社会インフラなどでの需要も拡大していく。

調査概要

調査方法、調査対象
✓ 主要プレイヤー17 社へのヒアリング
✓ 業界有識者へのヒアリング
✓ 公開データ収集整理
✓ シード・プランニング所有データ整理
ヒアリング実施企業
【蓄電池メーカー】
  1.株式会社 エジソンパワー
  2.エリーパワー 株式会社
  3.株式会社 ジーエス・ユアサ
  4.日本電気 株式会社
  5.BYD(比亜迪股份有限公司)
【蓄電システムベンダー】
  1.伊藤忠エネクス 株式会社
  2.株式会社 正興電機製作所
  3.株式会社 東芝
【住宅メーカー】
  1.株式会社 イザットハウス
  2.積水ハウス 株式会社
  3.大和ハウス工業 株式会社
  4.トヨタホーム 株式会社
  5.三井ホーム 株式会社
【販売会社】
  1.伯東 株式会社
  2.株式会社 リサイクルワン
【その他関連主要事業者】
  1.三井不動産レジデンシャル 株式会社
  2.株式会社 明電舎
調査期間
2011年9月〜12月
本件に関するお問合せ先
株式会社シード・プランニング
〒113-0034
東京都文京区湯島3-19-11 湯島ファーストビル 4F
TEL : 03-3835-9211(代) / FAX : 03-3831-0495
E-mail : info@seedplanning.co.jp
担当 : 金森(かなもり)・大田(おおた)