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トクホ飲料、規制改革で動き出す健康食品※市場
◆ 2017年の健康食品※1市場は約2兆1,450億市場に成長。
(2013の市場規模は約1兆8,400億円。)
◆ 2014年度中にも実施される以下の規制改革が成長を後押しする。
✓ いわゆる健康食品に対する機能性表示を容認
✓ 栄養機能食品の対象成分の拡大
✓ トクホ申請許可手続きの迅速化
※1 健康食品…本調査での「健康食品」とは、保健機能食品といわゆる健康食品を合わせたものから、
特別用途食品(病者用食品、嚥下困難者用食品等)を除外したものを指す。
詳細は「本調査における健康食品の定義」の項参照。
市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、特定保健食品・栄養機能食品・サプリメントに関する市場動向調査を実施し、このほど、その結果をまとめました。
2007年から縮小傾向にあった特定保健食品(通称:トクホ、以下トクホと略)市場は、トクホ飲料が火付け役となり、「第2次トクホブーム」と呼ばれるまでの活性化を見せています。既存のブランドを活かしたトクホ商品を開発する企業が増え、広く受け入れられるようになったことがブームを牽引していると考えられます。
また、2013年6月14日、「日本再興戦略」および「規制改革実施計画」が閣議決定され、「いわゆる健康食品をはじめとする保健機能を有する成分を含む加工食品および農林水産物の機能性表示の容認」について2014年度に結論を出すことが正式に決定しました。
これにより消費者庁は「食品の新たな機能性表示に関する検討会」を設け、特定保健用食品制度および栄養機能性食品制度を維持しつつ、企業の責任において科学的根拠をもとに機能性を表示できる新たな仕組みづくりを検討しており、まさに今、健康食品市場は大きな節目を迎えようとしています。
本調査では、このような背景を踏まえ、参入企業の健康食品分野の売上規模と今後の予測、研究開発・商品開発の動向などを調査し、今後の市場規模推移を予測しました。
なお、本調査結果の詳細は、調査研究レポート「 2014年版 特定保健用食品・栄養機能食品・サプリメント市場総合分析調査 〜トクホ飲料、規改革で動き出す市場〜 」(価格:102,600円:税込、2014年5月2日発刊)として販売しております。
調査結果のポイントは以下の通りです。
調査結果のポイント
◆ 2017年の健康食品※1市場は約2兆1,450億市場に成長。
(2013の市場規模は約1兆8,400億円。)
◆ 2014年度中にも実施される以下の規制改革が成長を後押しする。
✓ いわゆる健康食品に対する機能性表示を容認
✓ 栄養機能食品の対象成分の拡大
✓ トクホ申請許可手続きの迅速化
※1 健康食品…本調査での「健康食品」とは、保健機能食品といわゆる健康食品を合わせたものから、
特別用途食品(病者用食品、嚥下困難者用食品等)を除外したものを指す。
詳細は「本調査における健康食品の定義」の項参照。
健康食品市場(トクホ※2 、栄養機能食品、サプリメント、機能性飲料・菓子の小売りベースによる金額を加算したもの)は2013年の1兆8,388億円から、2017年には2兆1,452億円に伸長すると予測した。
※2 トクホ…特定保健食品の通称。以下「トクホ」と記述。
これまでの市場動向 : トクホ飲料で成長
- メタボリックシンドロームという概念が大流行し、内臓脂肪型肥満対策の健康食品開発が活発になった、いわゆる第一次トクホブームによって、健康食品の市場規模は2007 年には1 兆8000 億円を超えた。
- しかし、同年に起きたリーマンショックや健康食品の安全性に関する懸念の拡大などの社会的背景を受けて、2007 年をピークに市場は縮小傾向にあった。
- 飽和状態と見られていた健康食品市場の再活性化要因となったのが、コーラ飲料からのトクホという、健康食品の概念を覆すような商品の出現。その新しい価値観に消費者が大きな反応を示したことで市場は盛り上がりを見せ、次々と既存の強大飲料ブランドからのトクホ商品が開発された。
- その結果、2012 年の健康食品市場は五年ぶりに上昇に転じ、特にトクホ市場の成長率は前年を15%をも上回る数値となった。
- 2014 年に入ってからも引き続きトクホ飲料の商品開発は活発で、一つの関与成分から二つの健康強調表示をかかげる「ダブルヘルスクレーム」(「Wトクホ」とも言う。)の茶系飲料が相次いで発売されている。
- こうした付加価値を追求し続ける企業努力と相まって、予防医学の観点から市場自体が見直されてきていることもあり、2011-2012 年間ほどではないものの、本年度もプラスの成長率が期待されている。
これからの市場動向 : 2014年度中にも実施される規制改革が成長を後押し
2014年以降の市場は、規制の緩和が後押しして緩やかに成長すると予測される。
- 今後の健康食品市場の方向性を決定する重要な分岐点となり得るのが、本年度中に措置を講ずることとされている規制改革実施計画。現在検討中の課題として、いわゆる健康食品に対しても機能性表示を容認すること、栄養機能食品の対象成分を拡大すること、トクホ許可申請手続きを迅速化すること等が挙げられている。
- 機能性表示が緩和されることによって市場が大きく動き出す例は1994 年に米国にてDSHEA(栄養補助食品教育法案)が成立された時に見られた。
米国FDA によると、同法が導入された1994 年から2000 年までサプリメント市場は毎年10%もの成長率を記録していた。日本には国から安全性と有効性が保障されているトクホ制度があることと、市場が既にある程度の成熟期にあることで、当時の米国ほどの成長率とまではいかないだろうが、サプリメント市場に関しては、少なく見積もっても3〜4%の年平均成長率(2012-2017 年間)は見込まれると予想する。また、日本人は錠剤・カプセルなどの形状のものよりも明らか食品を好む傾向にあるということから、サプリメントよりも通常食品形態の栄養機能食品や機能性飲料の市場の方が成長率はより高くなると思われる。
本調査における健康食品の定義
本調査での「健康食品」とは、保健機能食品といわゆる健康食品を合わせたものから、特別用途食品(病者用食品、嚥下困難者用食品等)を除外したものを指す
保健機能食品
国が設定した安全性や有効性の規格基準を満たした食品のことで、特定保健用食品(通称:トクホ、以下「トクホ」と略)と栄養機能食品に分類される。
-
トクホ
からだの生理学的機能や生物学的活動に影響を与える保健機能成分(関与成分)を含んでおり、摂取することにより特定の保健の目的が期待できることを表示した食品。いわゆる健康食品とは異なり、特定の保健機能を示すために、当該食品を用いたヒト試験によって安全性と有効性等に関する十分な科学的根拠を証明する必要があり、消費者庁長官の許可を得て初めて表示が可能になる。 -
栄養機能食品
保健機能食品の一種で、通常の食生活で不足しがちな栄養成分(ビタミン・ミネラル類)の補給・補完のために利用する食品。一日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、国が定めた上・下限値の基準に適合している場合、栄養機能表示が許可になる。注意事項なども適正に表示することが義務付けられるが、規格基準を満たしていれば申請や届け出などは不要で、自由に製造・販売ができる。
いわゆる健康食品
健康食品から保健機能食品を除いたもので、本調査ではサプリメント、機能性飲料、機能性菓子をその範囲とする。
-
サプリメント
食事によって十分に摂取しきれていない栄養素を補うための補助食品として、特定の成分が濃縮された錠剤やカプセル形状の製品のことを指すが、行政的な定義はない。定義によってはトクホや栄養機能食品が含まれる場合もあるが、本調査ではいわゆる健康食品のうち、健康に良いとされる機能性成分を加えた通常の食品以外の形状のもの(錠剤、顆粒、カプセル、エキス)を範囲とする。 -
機能性飲料・菓子
いわゆる健康食品のうち、健康に良いとされる機能性成分を加えた飲料、菓子の形状のものを範囲とする。機能性飲料には茶系飲料、乳飲料、乳酸菌入り飲料、炭酸飲料、コーヒー飲料、ゼリー飲料、ドリンク剤、粉末飲料」が、機能性菓子には「キャンディ、ガム、クッキー、ビスケット、グミ、ゼリー、バータイプ菓子」が該当する。なお、機能性ヨーグルトについては機能性菓子に含まれるものとする。
調査概要
- ■ 調査内容
-
• 特定保健用食品、栄養機能食品、サプリメント、機能性飲料の最新市場動向の把握
• 市場規模予測
• 各社の取組み状況の把握
• 国民の「健康」に関する行動や現状データの把握
• 企業別、研究開発、マーケティング戦略の傾向把握 - ■ 対象品目
-
• 特定保健用食品
• 栄養機能食品
• サプリメント:錠剤、顆粒、カプセル、エキス等、通常食品とは異なる形状のもので、機能性成分を添加したもの。
• 機能性飲料:機能性成分を添加した茶系飲料、乳飲料、乳酸菌入り飲料、炭酸飲料、
コーヒー飲料、ゼリー飲料、ドリンク剤、粉末飲料
機能性菓子:機能性成分を添加したキャンディ、ガム、クッキー、ビスケット、グミ、ゼリー、バータイプ菓子 - ■ 調査項目
-
• 参入企業の売上規模と伸び率の予測
• 主要商品と新発売商品
• 販売チャネル、関心のある機能や素材など - ■ 調査対象
- • 対象品目を製造、販売する企業、関連団体
- ■ 調査方法
-
• ヒアリング調査、アンケート調査
• 公開情報の収集 - ■ 調査期間
- 2014 年1 月〜4 月
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