プレスリリース

ホーム > プレスリリース > 2017年 > 8月25日発表

調査結果

2017/08/25

がん分子標的薬の世界市場動向
がん分子標的薬、世界の製薬企業・ベンチャー80社を調査
→ 現在までに世界で51製品が上市
→ 2016年の市場規模は309億米ドル(約3兆3,680億円)
→ 2025年には682億米ドル(約7兆4,350億円)に拡大すると予測

市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、がん分子標的薬の世界の開発の現状と将来動向に関する調査を行い、このほどその結果をまとめましたのでお知らせいたします。

2001年に慢性骨髄性白血病の画期的治療薬としてグリベックが登場して以降、がんの進行・転移に関与する細胞内分子をターゲットとする治療薬(分子標的薬)の開発が活発に行われてきました。

これまでに低分子化合物のがん分子標的薬として51種類の製品が米国で承認されており、国内でも37製品が上市しています。これに伴って世界市場、日本市場ともに拡大を続けており、今後は複数の大型品の特許切れが控えているものの、ファーストインクラスの治療薬の上市、ブロックバスターとなる製品の増加により、市場成長が予測されます。

開発パイプラインの特徴としては、ファーストインクラスの開発に加えて、ベストインクラスを狙った開発参入も激化しています。また、治療の有効性向上、あるいは臨床試験の成功率向上などを目的として、免疫チェックポイント阻害剤と分子標的薬を組み合せた併用療法の開発が盛んに行われています。

このような背景を踏まえ、本調査では、キナーゼ阻害剤やエピジェネティクス医薬品など低分子化合物によるがん分子標的薬について、世界の製薬企業における開発状況と市場動向に焦点を当てて調査を行いました。

本調査結果は、市場調査レポート「がん分子標的薬の開発現状と将来展望 ~キナーゼ阻害剤など低分子医薬品の開発パイプラインと市場動向~」に詳しく掲載しています。

本書の詳細とご購入はこちら
http://store.seedplanning.co.jp/item/9723.html

調査結果のポイント、調査概要は以下の通りです。

調査結果のポイント

本調査の調査対象:低分子化合物の分子標的薬

分子標的薬は、疾患の発症に関連する細胞外あるいは細胞内のタンパク質などの分子を標的として治療を行うことを目的とした薬剤のことをいう。
分子標的薬の種類として、従来の創薬手法である低分子化合物と近年の医薬品開発の中心となっている抗体医薬品の2つに分類されることが多い。
本調査では、がんを対象領域とする低分子化合物の分子標的薬を調査対象としている。


現在までに世界で51製品が上市

現在までに世界で51 製品が上市されている。このうち日本で承認されているのは37 製品となっている。

  • 部位別の適応疾患数をみると、血液がんが19製品、肺がんが11 製品、腎臓が8 製品の順で多い。血液がんの開発が最も進んでいる理由の一つとしては、固形がんと比較してがんのドライバー遺伝子変異の数がある程度限られていることが考えられる。
  • 米国および日本で承認された製品数の年次推移
    2001 年にグリベックが承認されて以降、米国では2009 年頃までは年間2~4 製品程度が上市されていたが、2011~2012 年を境に承認製品数が増加傾向にある。2012 年と2015 年にはそれぞれ8 製品が承認されている。
    一方、日本では、2007 年までは上市製品数は年間0~1 製品に留まっていたが、2008 年以降、徐々に増加傾向にある。2014 年は6 製品、2015 年には4 製品、2016 年は7 製品が承認されている。

市場動向
→ 2016年の市場規模は309億米ドル(約3兆3,680億円)
→ 2025年には682億米ドル(約7兆4,350億円)に拡大すると予測

 世界市場

2020 年前後に特許失効となる大型品が相次ぐため市場成長率は減速するものの、ファーストインクラスの薬剤の上市や適応拡大により2025 年には約682 億米ドルに拡大すると予測した。

また、他のキナーゼ阻害剤や免疫チェックポイント阻害剤などとの併用療法が市場拡大に寄与する可能性がある。

がん分子標的薬の世界市場推移予測(先発品のみ)

 国内市場

がん分子標的治療薬の国内市場は世界市場と同様の推移を示し、2025 年には国内市場は6,870 億円に達すると推計した。日本では特に抗がん剤でジェネリックへの切り替えは急速に進まない状況にあるため、特許切れの影響は欧米ほど受けないとみられる。

調査概要

調査対象
• 海外製薬企業17社・ベンチャー企業50社   計67社
  製薬企業17社
1)AbbVie
2)AstraZeneca
3)Amgen
4)Bayer
5)Boehringer Ingelheim
6)Bristol-Myers Squibb
7)Celgene
8)Eli Lilly
9)Genentech (Roche)
10)Genzyme(Sanofi)
11)Gilead Sciences
12)GlaxoSmithKline
13)Janssen (Johnson & Johnson)
14)Merck KGaA
15)Novartis
16)Pfizer
17)Roche

 ベンチャー企業50社
1)4SC(ドイツ)
2)AB SCIENCE(フランス)
3)Acerta Pharma
   (AstraZenecaグループ)(米国)
4)Agios Pharmaceuticals(米国)
5)ARIAD Pharmaceuticals
   (武田薬品工業) (米国)
6)Arog Pharmaceuticals (米国)
7)ArQule (米国)
8)Array BioPharma (米国)
9)Astex Pharmaceuticals
   (大塚製薬) (英国)
10)AVEO Pharmaceuticals (米国)
11)BerGenBio (ノルウェー)
12)BioLineRx (イスラエル)
13)Blueprint Medicines (米国)
14)Calithera BioSciences (米国)
15)Boston Biomedical
   (大日本住友製薬) (米国)
16)CASI Pharmaceuticals (米国)
17)Clovis Oncology (米国)
18)CTI BioPharma (米国)
19)Curis (米国)
20)Epizyme (米国)
21)Exelixis (米国)
22)Idera Pharmaceuticals (米国)
23)Ignyta (米国)
24)Incyte (米国)
25)Karyopharm Therapeutics (米国)
26)Kura Oncology (米国)
27)Loxo Oncology (米国)
28)MedImmune(AstraZeneca) (米国)
29)MEI Pharma (米国)
30)Mirati Therapeutics (米国)
31)Nektar Therapeutics (米国)
32)Nerviano Medical Sciences (イタリア)
33)NewLink Genetics (米国)
34)Novogen (オーストラリア)
35)Onconova Therapeutics (米国)
36)Pharmacyclics(AbbVie) (米国)
37)Provectus Biopharmaceuticals (米国)
38)Puma Biotechnology (米国)
39)RedHill Biopharma (イスラエル)
40)Rexahn Pharmaceuticals (米国)
41)Spectrum Pharmaceuticals (米国)
42)Sunesis Pharmaceuticals (米国)
43)Syndax Pharmaceuticals (米国)
44)Syros Pharmaceuticals (米国)
45)TESARO (米国)
46)TG Therapeutics (米国)
47)Tolero Pharmaceuticals
   (大日本住友製薬) (米国)
48)Tragara Pharmaceuticals (米国)
49)Verastem (米国)
50)Vertex Pharmaceuticals (米国)

• 国内製薬企業9社・ベンチャー企業4社   計13社
製薬企業
1)アステラス製薬
2)エーザイ
3)大塚製薬
4)第一三共
5)武田薬品工業
6)中外製薬
7)協和発酵キリン
8)大日本住友製薬
9)大鵬薬品工業
ベンチャー企業
1)オンコセラピー・サイエンス
2)キャンバス
3)シンバイオ製薬
4)カルナバイオサイエンス
調査方法
• オープンデータ収集、文献調査
• 訪問ヒアリング
• 第21 回 日本がん分子標的治療学会学術集会での情報収集
調査期間
2017 年4月〜2017 年7月

調査結果を掲載したレポートの概要

レポート名
がん分子標的薬の開発現状と将来展望
〜キナーゼ阻害剤など低分子医薬品の開発パイプラインと市場動向〜
発刊日/体裁
2017/8/4  A4/384ページ
販売価格
書籍版        194,400円(税込)
書籍+PDFセット版  226,800円(税込)
本書のポイント
• キナーゼ阻害剤を中心とする低分子化合物のがん分子標的薬開発のパイプラインを網羅的に調査
• 世界市場の動向と将来展望を予測
• 参入企業の事業動向を掲載
目    次
調査概要
第1章 分子標的薬の概要
   分子標的薬の種類・特徴/標的の種類・作用機序
第2章 上市されているがん分子標的薬
第3章 がん分子標的薬の開発状況
   がん分子標的薬の開発パイプライン/注目標的の開発状況/
   がん免疫療法との併用療法の開発状況/がん分子標的薬開発の方向性
第4章 がん分子標的薬の市場動向
   がん分子標的薬の市場動向/今後の市場予測/がん分子標的薬における特許、
   ジェネリック医薬品の状況
第5章 大手製薬企業におけるがん分子標的薬の開発動向
   海外企業の開発動向/国内企業の開発動向
    「調査概要」の項に掲載の海外製薬企業17社、国内製薬企業9社を掲載
第6章 がん分子標的薬開発を行っているベンチャー企業の動向
   「調査概要」の項に掲載の海外企業50社、国内企業4社を掲載
本件に関するお問合せ先
株式会社シード・プランニング
〒113-0034
東京都文京区湯島3-19-11 湯島ファーストビル 4F
TEL : 03-3835-9211(代) / FAX : 03-3831-0495
E-mail : info@seedplanning.co.jp
広報担当