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調査結果
MCI(軽度認知障害)関連サービスの市場予測
国内・海外のMCI(軽度認知障害)関連サービス参入企業を調査
• MCI(軽度認知障害)の検査充実により周辺産業が成長
• 2025年には、2017年の3倍の600億円の市場になると予測
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、MCI(軽度認知障害)関連サービスの現状と将来展望に関する調査を行い、このほどその調査結果をまとめましたのでお知らせいたします。
MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)とは、認知症の最も軽い段階であり、厳密に言えば、健常者と認知症の人の中間の段階(グレーゾーン)にあたる症状です。軽度行動障害(MBI:Mild Behavioral Impairment)というMCIの前段階へのアプローチが重要であるという提言が出てくる等、更に予防の重要性が注目されてきています。
厚生労働省は、65歳以上の高齢者のうち、認知症患者は推計15%で、2012年時点で約462万人にのぼり、さらに認知症になる可能性のある軽度認知障害の高齢者も約400万人と、65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症もしくは軽度認知障害と推定しています。また、認知症高齢者数は2002年から2012年の10年で倍増しており、2025年には認知症が人口の4%を占めると推定され、認知症および軽度認知障害に関する早急な対応が求められており、特に、予防の重要性から予備群に対するアプローチを後押しすると考えられ、メタボ対策市場と同様の市場拡大が見込まれます。
本調査では、このような背景を踏まえ、認知症予備群向け予防・支援サービスに注目し、サービス提供事業にヒアリングを行うとともに公開情報も参考に、2025年までの市場を予測しました。
調査にあたっては、株式会社スポルツの協力を得ました。
本調査結果の詳細は、市場調査レポート「MCI(軽度認知障害)関連サービスの現状と将来展望 2018― 認知症予備群向け予防・支援サービスに成長の可能性 ―」として販売しています。
http://store.seedplanning.co.jp/item/10014.html
調査結果のポイントと調査概要は以下の通りです。
調査結果のポイント
• MCI(軽度認知障害)の検査充実により周辺産業が成長
• 2025年には、2017年の3倍の600億円の市場になると予測
調査範囲
本調査では、MCI(軽度認知障害)関連サービス市場を、「早期発見・評価領域」と「予防・改善領域」に分類した。
早期発見・評価領域
電話による問診から早期発見・評価を行うサービスや、血液検査のスクリーニングツール等で、MCI(軽度認知障害)対応を謳っているものを対象とした。
しかし、2018 年の段階では、MCI(軽度認知障害)対応を謳うサービス/ツールは一部に留まっている。現在も、歩行状況やMRI の活用、カードなどの早期発見・評価サービスが開発されており、今後も更に簡易で多様な方法によるアプローチが開発されると考えられる。
予防・改善領域
対象サービスは、運動・食事・学習の3 種類によるものが多くみられる。健常者には予防効果が、MCI(軽度認知障害)の対象者には、維持・改善効果が見込まれるとされる。これらは、従来、 “認知症予防サービス”として展開されてきたものであり、対象者も重複していることから、明確に「認知症予防サービス」「MCI(軽度認知障害)予防サービス」と分類することはできない。ただ、MCI 状態の高齢者がサービスを受けることにより、改善効果が見込まれる可能性も出てきたことから、今後も市場の活性化が見込まれる。
2025年までの市場予測
2025年には、2017年の3倍の600億円の市場になると予測
MCI(軽度認知障害)関連サービスの市場規模は、2017年の段階で約200 億円と推定される。2017年の段階では、特に認知症予防分野の製品・サービスが市場の中心であるが、MCI(軽度認知障害)対応の早期発見・評価の重要性が浸透しはじめており、徐々に市場として確立され始めている。
2016 年以降、MCI(軽度認知障害)関連サービスは拡大を続け、2025 年の段階で市場規模が約597 億円と2017年比約3倍まで拡大すると想定される。
予防・改善領域
予防領域の市場規模は2017年の段階で約193 億円と推定される。
現段階では特に食品・サプリメントの製品が中心となる。2025 年の段階で市場規模が約387 億円と2017 年時点と比較して約2 倍に拡大すると想定される。
内訳としては、食品・サプリメントおよび運動分野の成長が大きく、食品サプリメント分野は、2017 年の約119 億円から、2025 年には約218億円と2倍弱に拡大する。運動分野は2017年の約38億円から2025年には約112億円と3倍弱の市場に成長する。また、学習分野も運動分野同様、自治体の介護予防・日常生活支援総合事業の影響により市場が拡大すると想定される。
早期発見・評価領域
早期発見・評価領域のMCI対応サービス/ツールの市場規模は2017年の段階で約7億円と推定される。2025 年の段階で市場規模が約210 億円に拡大すると予測される。
現状は認知症の早期発見と対策に重点が置かれているが、今後は軽度認知障害の対策、認知症の予防へ舵がきられると推測され、早期発見・評価領域におけるMCI(軽度認知障害)の対応の標準化が進むと考えられることから、2025 年には、早期発見・評価領域のほぼ全てのサービス/ツールはMCI(軽度認知障害)もスクリーニング可能なものになると考えられる。
調査概要
- 調査対象
-
以下の26社・団体を調査。
(_の6社はヒアリング調査を実施。他の20社はオープンデータによる調査。)
<国内のサービス企業:21社>
(株)エス・エム・エス (株)エストコーポレーション
総合メディカル(株) ティーペック(株)
医療法人社団 創知会メモリークリニックお茶の水
(株)ルネサンス
(株)MCBI(Molecular and Clinical Bioinformatics) NPO 法人オレンジアクト
(株)キャピタルメディカ 九州大学 クラブツーリズム(株)
(株)グローカル・アイ (株)グローバルエンジニアリングアリング
(株)コペル シスメックス(株) (株)日立製作所
ソフトバンク・テクノロジー(株) ナゴヤダンスアカデミー
パラマウントベッド(株) 長野県松本市 健康福祉部 高齢福祉課
社会福祉法人 聖隷福祉事業団 保健事業部
<海外のサービス企業:5社>
NeuroGrow Brain Fitness Center Quest Diagnostics Incorporated
Food for the Brain BAYCREST HEALTH SCIENCES
VAYA Pharma Inc - 調査方法
- ヒアリング調査およびオープンデータ調査
- 調査項目
-
① MCI(軽度認知障害)関連サービス市場の方向性および展望
② MCI(軽度認知障害)に対する国・行政の取組み
③ MCI(軽度認知障害)関連サービスのビジネストレンド
④ 国内・海外のMCI(軽度認知障害)関連サービス参入企業調査
調査結果を掲載したレポートの概要
- レポート名
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MCI(軽度認知障害)関連サービスの現状と将来展望 2018
― 認知症予備群向け予防・支援サービスに成長の可能性 ― - 発 刊 日
- 2018年3月30日
- 体 裁
- A4 /197ページ
- 販売価格
-
書籍版またはPDF版 129,600円(税込)
書籍+PDF セット版 162,000円(税込) - 発 行
- シード・プランニング
- 掲載内容
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※詳細はHP:
http://store.seedplanning.co.p/item/10014.html
をご参照ください。
はじめに
調査概要
第1章 総括
1.MCI(軽度認知障害)関連サービスの現状と今後の展望
2.日本における認知症対策の必要性と軽度認知障害(MCI)
3.認知症とMCI(軽度認知障害)
4.軽度認知障害(MCI)の現状と課題
5.本調査におけるMCI(軽度認知障害)のカバー範囲
第2章 MCI(軽度認知障害)に対する国・行政の取組み
1.国・行政における認知症への取組み
2.国・行政におけるMCI(軽度認知障害)への取組み
第3章 MCI(軽度認知障害)関連サービス市場の方向性および展望
1.MCI(軽度認知障害)関連サービス市場
2.MCI(軽度認知障害)関連サービスのビジネストレンド
第4章 国内・海外のMCI(軽度認知障害)関連サービス参入企業調査
1.国内サービス(取材個票:6社)・・・社名・団体名は「調査概要」の項を参照。
2.国内サービス(公開情報個票:15社)
・・・社名・団体名は「調査概要」の項を参照。
3.海外サービス(公開情報個票:5社)・・・社名・団体名は「調査概要」の項を参照。
第5章 保健・医療・介護分野 統計データ集
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広報担当